もーいーくつねーるーとーなーつーやーすーみー…休みだからって、早朝から起きては騒ぐ元気過ぎのチビ達のせいでゆっくり寝られる訳ではありませんが、それでも休みは待ち遠しいものです。
連休中に普段できない事をしよう考えてはいますが、結局は行き当たりばったりで、なんとなく休日が過ぎていくのでしょう…。
どうも「K」です。
booco 2024 diaryの通常版販売開始まで、あと1か月くらいでしょうか。商品開発もひと段落し、あとは順調に生産するだけでございます。
そこで今回は、以前「製本好きいらっしゃい」と銘打って、製本に関するお話をちょっとだけマニアック方面に振った投稿の第二回目となります。
テーマは「断裁・折り」となります。
このブログをいつも読んで頂いている方々は、知って頂いていると思いますが、北海道の文具ブランド「booco」の母体は製本会社でございます。基本、印刷会社ではありませんので「製本」する為には印刷会社で印刷された刷本<すりほん>と呼ばれる「印刷されているが、まだ製本前の印刷物」が搬入されて、初めて製本作業に取りかかれます。
本が出来るまでには「原稿」を「データ化」し、「校正」→「校了」を経て、「製版」→「印刷」した後、やっと製本工程になります。
■■■「断裁・折り」に使う(主な)機械たち■■■
①ジョガー(紙揃え機)工藤鉄工所 クドエースMJ
②断裁機 勝田製作所 JMC-7
③折機 正栄機械製作所 オリスター
※リンク先の機種が弊社の使用機種と全く同一ではない場合もあります。
■■■作業工程■■■
①断裁:まず、納入された刷本を「断裁」の次の工程の「折り」の機械に入るように、又は折り方に合わせて余分な所を切り落とします。
②折り:刷本には、1枚の大きな紙に8ページや16ページなど、製本仕様に合わせて裏表がズレ無く印刷されています。2回折りたためば8ページ折り、さらにたためば16ページ折りになります。
<絵でわかりやすく>16ページの本(8ページ折り)の場合
試しに図のように1~16の番号を上下の向きも含めて同じように書き、折って、折って、3辺切れば、16Pの本の出来上がりです。ページが多い場合はこれらを重ねて丁合(ちょうあい)をして作ります。
■■■作業経験者の聞きました①■■■
①「断裁」で最も気を付けている所
・断裁時の「曲がり」を特に気をつけます。刷本は裏表上下左右紙の同じ場所にほぼズレなく印刷されています。すべての刷本を一気に切れる訳ではありませんので、何度かに分けて断裁する事になります。
途中で斜めに切れてしまったり、上下左右どちらかの方向にズレると、後の工程全てがうまく行かなくなってしまいます。また、キレイな本を作る為には紙を汚さない事も大事です。(これはどの工程でも大事)
<Kの感想>
製本の機械は端から見ても「ザ・機械」という見た目で適当に触ると手に機械油とかが付きそうなイメージはあります(K的意見)。汚さず、寸分違わずに断裁するというのはなかなか神経を使う作業ですよね。
そして、完全に切る位置を間違ってしまった場合、最悪は印刷会社に再印刷を頼まなくてはいけません。そこまでに至った例はほとんど聞いたことありませんが、そうならないよう細心の注意で作業されているという事でしょう(Kには不向きです…)
②「折り」
・折りと折りが繋がるページが、見開きで「絵」や「写真」がまたがる場合「折り」の精度が低いと左右で絵柄がきれいに合わなくなってしまいます。折りの機械をしっかり調整し、トンボ(目印)でピッタリ精度高く折れるよう神経を使います。
<Kの感想>
私もたまには何らかの本を開きます(大体マンガか雑誌…)が、極まれに「…ん!?これは変だ」と左右にページのズレの大きさに気づく事があります。実際、世に出ている本の中にもたまにはそのようなものもあります。「ズレずにデータ作成」「ズレずに印刷」「ズレずに断裁」「ズレずに折り」…これが全てではありませんが、製本って大変です。
■■■作業経験者の聞きました②■■■
①「断裁」で大変だと思う事
・四六判などの大判になると紙を揃えたりする作業も大変になります。ジョガー(紙揃え機)を使い、紙を揃えて行き、揃えた印刷紙を断裁機上でも最新の注意で取り回しながら断裁していきます。
<Kの感想>
大きい紙は少しまとめて持つだけでも結構な重さになります。皆さんA4のコピー紙の束くらいは持った事があるかと思いますが、持てたとしても片手で自由に振り回すのは危険な重さですよね。
そんなページが8面とか面付された大きさの紙を、変なところで折れないように、破れないように傷つかないように、汚さないように…(本当にKには不向きです…)
②「折り」
・印刷紙には薄い紙や厚い紙、様々でどの紙でも曲がらずにまっすぐ折っていく事が大変です。折っている途中でも微調整が欠かせません。
<Kの感想>
「折り」の後の「丁合」という工程では、ここで折ったものの束を大量に見る事が出来ます。片手では持てないくらいの重さ束をこの「折り」で
大量に作っているのです。それらの束を順番に並べる事で辞典のようなページ数の多い本が出来ていきます。
③「断裁」「折り」の仕事にやりがいを感じる時
・納期があまりない時でも頑張って間に合わせる事が出来た時。
<Kの感想>
この記事の冒頭辺りで書きましたが、本を作るとき「製本」はあとの方の工程となる為、作業時間が圧迫されることもあります。そんななかでもうまく間に合わせた時は、一杯やりたくなりますよね。これはどんな仕事でも言えますね。
基本、印刷・製本のお仕事は時に細かく繊細でとても神経を使う仕事ですが、中でも製本の始まりの断裁と折りは神経を使う以外にもプレッシャーもあるでしょうから、尚の事大変に感じます。(Kならすぐに潰されるでしょうねぇ…)
<最後に>
今回の「製本好きいらっしゃい」はどうでしたか。K的に今回はなかなか長い記事になり、頑張ったと思っています。深く掘り下げようと思えばもっと深くできますが、書いていて気づきます。「1回で全部は無理だと」。説明の途中で出てきた言葉を一つ一つ掘り下げると、とても一回では終わりませんし、どこまでも掘り下げて専門的過ぎてもよろしくないですしね。程よく書けたなら成功です。
また、次のネタは考えておりますので、良かったら楽しみにしていてください。
※ブログの内容はあくまで弊社、もしくは執筆者の独自の見解であり、必ずしもどこの製本会社に当てはまるものとは限りません。
情報のお取扱いには十分ご注意頂き、ブログ内容の利用による如何なる結果も自己責任となりますのでご注意ください。
——————-ライブ配信情報!!!(8/4のブログにてお知らせ済み)—————–
8/18(金) 12:30~ ←スミマセン!8/17から変更になりました!
「2024 手帳会議」第7回目をライブ配信予定です!
内容はおそらく、前回と同じく手帳生産の進捗状況などの報告と、雑談(!)かと思われます!
MC二人がお盆休み明けで、うまくライブモードに入れるかが、ちょっとだけ見ものです。
お楽しみに!
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次回も最新情報や商品情報をお伝えしていきますので、このブログに加え、
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ではまた!
執筆者:K