本州ではとっくに梅雨入りのようですが、北海道もなんだかグズグズなお天気です。俗に言う「蝦夷梅雨」ですね。本州の梅雨時期には北海道も本場の梅雨ほどではないにしても、不安定なお天気になります。予報に無いのによく雨が降ったりしてます。予報が外れるのはしょうがないとしても、降ってるのにネットの雨雲レーダーにいっさい雲が無い事も…。そこに無いのはおかしいのでは?。レーダーで捕らえられない雲もあるという事でしょうか。変なの。
どうも「K」です。
当ブログは、まだまだ超マイナーなブログだと思いますが、読んでいただいている方々は一体どんな人たちだろうとふと考えてみました。
たまたま通りすがりという方もいるかと思いますが、他にはboocoの熱烈なファンの方(いつもありがとうございます!)、もしくは…製本や紙に対して、一般の方よりも突っ込んだ部分に興味のある方なんかいるのでは?と思いました。
そこで、今回は製本に関して、今まではbooco製品のここがこだわりなんです、ここがすごいんですなんて、サラッとお伝えしていたところを、もう少し深く、良い言い方かはわかりませんが少々「マニアック」にお伝えしたいと思いますので、楽しんで読んでいただけたら幸いです。
マニアックにお伝えするにあたり、boocoのどんなところを深堀してお伝えしようか…と考えまして、製造工程順とはいかないのですが、今回は…
「糸かがり綴じ」 ※綴じ→「とじ」と読む
についてお伝えしようと思います。知らない方はいきなり名前から「なんじゃそりゃ?」となるでしょう。「糸かがり綴じ」はbooco製品を生産する上で大事な製造工程の一つで、何度も何度も開いたり閉じたりられる、booco製品の耐久性に関わる重要な部分です。
●「糸かがり綴じ」とは
表紙を取り付ける前の本の「背」に用途の違う2本の針で、1本の糸を縫い込んで本の大きさに合わせて、糸の本数を増やして強度を上げています。
背の長さによって、糸の数が決まり、背が長いほど糸の数が増えます(糸の数は機械の性能による)。
現在、弊社で稼働している糸かがり機は、日本製(石田製作所製)とスイス製(ミューラーマルティニ製)の2機種あり、日本製の縫い幅は25mm、スイス製の方は15mmとなっております。
糸と糸の間隔はスイス製の方が短い為、日本製よりも、同じ背の長さに対して多く糸を入れられ、より堅牢な製本が可能です。現在、弊社では複数のスイス製が主力となっています。
●なぜ、開きが良いのか
糊が糸の穴に入り込む事が少なくアジロ綴じなどに比べて糊が広がる面積が少ない為、ノド元(※1)まで本を開くことが出来る。
このノド元まで開く事が出来るという長所は糸かがり綴じが、そのほかの製本に比べて優れているところで、辞典のような5cm以上の束厚(※2)でも大きく開いて置く事ができます。
※1 ノド元…ノド元(またはノド)はページの綴じてある方、逆にページの外側でめくるときに掴む方が小口という。
※2 束厚…「つかあつ」と読み「束」は背幅、「厚」は文字通り厚い事を指し、「束厚な本」というと背幅が広く、厚い本という意味です。
いかがでしたでしょうか。決して濃い内容とは言えないかもしれませんが、製本に携わらない生活では通常は耳にしない言葉が多かったのではないでしょうか。今回は工場で実際に糸かがりに携わっている社員にも質問して、「糸かがり」の特徴や良い所をお伝えさせて頂きました。楽しんでいただけましたでしょうか?
だからboocoは良いのです、というところを少しでもわかって頂けたならうれしいです。
機会がありましたら、また違うネタでマニアックにお伝えしたいですね。
※ブログの内容はあくまで弊社、もしくは執筆者の独自の見解であり、必ずしもどこの製本会社に当てはまるものとは限りません。
情報のお取扱いには十分ご注意頂き、ブログ内容の利用による如何なる結果も自己責任となりますのでご注意ください。
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次回も最新情報や商品情報をお伝えしていきますので、このブログに加え、
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ではまた!
執筆者:K