みなさまこんにちは。
天地小口今村です!
前回に引き続き、今回も糸かがり綴じについてお話させていただきます!
前回はいろんな製本方法と比較して糸かがり綴じの立ち位置的な部分をお話しましたが、今回は糸かがり綴じの構造についてお話します!
基本的には糸かがり綴じは1本の糸が2つの穴を通るような仕組みになっており、背中側から見ると…

こんな風に見えます!
そしてお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、お手元に糸かがりの本があればみなさんよ~~~く糸を見てください。

実は…!
糸2本通っていませんか?
強度の秘密でもあるのですが、糸が2本通る仕組みになっているんですね。
仕組みを説明する前に前知識として、折丁という言葉がでてきます!
業界では一般的に8ページ折や16ページ折をしているものを折丁と呼びます。
詳しくは、弊社のユーモア担当Kが説明しておりますので、ぜひこちらもご覧になってください!
それでは解説していこうかと思いますが、その前に!
下準備が少しだけございますので今村と一緒にやってみようかと思う方は折丁と一緒に準備してみてください!
※ちなみに今村みたいに、自分でやってみようという方はやる前に折丁に先に穴を空けておいた方がいいですよ!
▼ やり方はこんな感じです ▼
【用意するもの】
・糸かがりする折丁
・穴の間隔を記した紙を一枚作る
・クリップ二つ(全ての折丁を挟めるサイズ)

折丁&クリップ準備
【穴あけ方法】
〇 穴を空けたいところをクリップで挟む

両端をクリップで
〇 カッターや包丁でゴリゴリ切ります

指に気を付けて!

全部やったら準備完了!
それでは早速糸かがり綴じに入っていきますよ!
今回は全部説明するとこんがらがってしまうので、糸は1本のみで作業します。
穴2つに対して糸は1本ずつ増えていくので、boocoは6本入ってます!
① 背側(山折り側)から折丁に針が通り、糸をノド(谷折り側)へ通す
※製本用語ですが、山折り側を「背」、谷折り側を「ノド」といいます
以下から省略していきますね!

背側から見たら▲

ノド側から見たら▲
② ノド元を通りそのままひとつとなりの穴からノド側→背側へ針を出す

針を通して

紐を通す
- ③ 折り返して同じ穴に背側から糸を通す
【注意!】必ず背にループの残してください!

同じ穴に針を通していく

【注意!】ループは残したまま!
- ④ ノド側からも同様に一番最初に通した穴に糸を通していく

ノドから針を通す

背にはループを残したままで

ノドには2本の糸
- <2折目に入っていく!>
⑤ 2折目の折丁の向きを確認。
穴の位置や折丁のサイズ等がキレイにあっていないと後々大変です!

穴の位置を確認
⑥ 2折目にも同様に背からノドへ針を通していく

背側からノドへ
⑦ ノドから背へ糸を出す

次はノドから背側へ
⑧ 背から出た針をそのまま1折目のループに通し、1折目の糸を引きループを小さくしキツくする。

ループに通して

キュッと!
⑨ 2折目にループを作りながら折り返していく

③と同じく背側から針を通す

折り返してループを残して
⑩ ノドから背へ糸を通す

ノドから糸を通す

3折目へつなぐループは残す
⑪ 次の折へ
これらを繰り返して糸かがりをしております。
写真では下の1区間しかしていませんが、boocoは6色の糸がついているので、針が6本必要です。

ここの1区間
そして更に背中に糊が付き、背巻きという工程を経てより背中を補強するので、強度的にはかなり強いです。
それでいて糊を深く入れたりせず、糸が抜けないように固めているため例え糊が劣化しても糸が切れない限りバラける心配がないのです。
以上となります!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回は製本に特化した部分のお話でしたが、
どうでしょう?ちょっと複雑でしたか?
糸かがりを知らないスタッフに事前に読んでもらい、ダメ出しをいただき修正し、そして写真も3回ほど取り直しました(笑)
製本を全て網羅するには、まだまだ他の工程の知識も必要になります。
ただやってみよう!と思う方はひとまず糸かがり綴じまでは可能です!
ぜひやってみてくださいね。
お付き合いいただきありがとうございます。
したっけ~
次回も最新情報や商品情報をお伝えしていきますので、このブログに加え、
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